大自然の中で野鳥を探したり、写真撮影をしたりするのはとても意義があることですが、一方でバードウォッチャーのマナー違反やトラブルも増加しています。
今回は「バードウォッチングのマナーを知ろう」についてまとめてみました。
目次一覧
鳥を脅かさないために
やさしいきもち
野鳥を観察する際に気をつけたいこととして、日本野鳥の会では「やさしいきもち」というフィールドマナーを提唱しています。
- や 野外活動、無理なく楽しく…自然には思わぬ危険がはらんでいるかもしれないので、安全に行動するようにしましょう。
- さ 採集は控えて、自然はそのままに…自然は野鳥の住処でもあるため、むやみに荒らすことはやめましょう。
- し 静かに、そーっと…大きな音や動作を控え、野鳥を脅かさないようにしましょう。
- い 一本道、道からはずれないで…危険を避けるため、自然を守るため、そこに暮らす人に迷惑をかけないためにも道を外れないようにしましょう。
- き 気をつけよう、写真、給餌、人への迷惑…考えなしに写真撮影や給餌をすることは、野鳥や自然に悪影響を及ぼすだけでなく、周囲の人への迷惑にもなります。
- も 持って帰ろう、思い出とゴミ…ゴミは自然を壊し、バランスを崩す原因になります。ゴミは必ず持ち帰りましょう。
- ち 近づかないで、野鳥の巣…子育て中の親鳥にとって、巣の周囲の変化はストレスになります。遠くから見守るようにしましょう。
あるがまま、そのままに
野鳥は自然の一部です。本来であれば人間が野鳥に関わることはありません。そんな野鳥の領域を踏み荒らすような真似はやめましょう。子育ての季節は特に親鳥が神経質になっている場合が多く、周囲の変化や危険に対して敏感になり、時には巣を捨ててしまうことすらあります。また日本国内への渡来が少ない珍しい種類の鳥たちは、渡りのルートから外れて体が弱っている場合があります。こういった場合は特に接近しすぎたり、刺激を与えたりするような行為は避けましょう。
餌付けについて
餌付けは基本的にNG
野鳥にエサを与える行為は一見すると優しい行動のように思えますが、もともとは人間から与えられることのなかった餌をもらうことにより、生態系に悪影響を与えてしまったり、池や湖などの水質を悪化させてしまったりすることがあります。
また本来ならば秋には日本を離れる渡り鳥の旅立ちを遅らせてしまい、冬になって弱って死んでしまうこともあります。
野鳥とのふれあいというメリットを鑑みても、野鳥にとってどんな悪影響を及ぼすかわからないこともあるため、基本的には餌付けはNGということを認識しておきましょう。
ゴミは持ち帰る
人間が持ち込んだものは自然界に置き去りにしないというのが最低限のルールです。プラスチック片を野鳥が飲み込んでしまう恐れや、生ごみなどによる水質変化で生態系が変わってしまう恐れがあるので、必ずゴミは持ち帰るようにしましょう。
撮影の注意点
野鳥の情報を公開しない
珍鳥や人気の鳥を見つけると、ついつい嬉しくなって他のバードウォッチャーと情報を共有したくなるかもしれませんが注意が必要です。
そういった情報がインターネットなどで拡散されると、大勢のバードウォッチャーが殺到してしまい、野鳥だけでなく地元の人や利用者にも迷惑をかけてしまいます。情報を公開するのは控えましょう。
ストロボは使用しない
ストロボなどの人工照明は野鳥たちにとって非常に強烈です。警戒心の強い野鳥を驚かせることになり、思わぬ事故につながることがあります。暗い場所ではストロボ撮影を行わず、ISO感度を上げて撮影しましょう。
周囲への十分な配慮を
撮影場所の取り合い、私有地への無断侵入などのトラブルが増加しています。時には警察が出動する騒ぎにまで発展することもあります。周辺地域への配慮は忘れないようにしましょう。
また撮影する際はレンズを住宅地に向けないようにしましょう。当然ですが、インターネットなどに写真を掲載する場合はプライバシーの侵害にならないような写真を使用するようにします。
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まとめ
バードウォッチングのマナーについてまとめてみました。
野鳥を探しているとついつい夢中になって周りが見えなくなってしまいがちですが、マナー違反は野鳥を追い詰めますし、結果的には自分たちに帰ってきます。
スマートなバードウォッチングを心掛け、マナーをきちんと守るようにしましょう。